●P.スパーク:ノルウェーのロンド (G3) 6’09 ¥24,570 【A−562】
「祝典のための音楽」や「オリエント急行」などが広く知られ、吹奏楽のみならず金管バンド作品でも大変人気のあるイギリスの作曲家、スパークの作品。この作品は、スイスの”ロンド”という名前のユース・バンドが、1998年にノルウェーへ演奏旅行する際に作曲されたもの。「ノルウェーのロンド」という題名は大変に紛らわしいが、ノルウェー音楽や、音楽の形式としてのロンドを題材とした作品ではない。スパークによる他の作品同様、華やかで活発な部分と、美しいメロディーがとても魅力的である。スパークの作品は比較的難しい曲が多いが、その中で、グレード3というのも特筆すべき点ではないだろうか。
●P.スパーク:ディヴァージョンズ〜スイスのフォークソングによる変奏曲
(G4.5) 14’55 ¥23,100
【A−551】
曲名『ディヴァージョンズ』には「転機」とか「移り変わるもの」といった語彙があるが副題にもあるとおり、曲はカール・ヘスが19世紀に作り、スイスのフォークソングとして広く親しまれている「デア・ハイメットフォーゲル」をベースにした一種の変奏曲として書かれている。この曲名は、日本語に直訳すると「わが故郷の鳥」という意味になるが、その歌詞はイギリスでは「金色の鳥」または「私の庭の鳥」と訳され親しまれているという。曲は、主題提示部のあと、4つの変奏曲で構成されている。スパークらしい、非常に雄大で暖かい響きのする作品である。変奏曲ならではの場面の変化が面白く目が離せない。随所に情感溢れるメロディーがたっぷりと歌われ、ラストは次第にクライマックスを構築していき、華やかなコーダで曲を締めくくる。
●A.ゴーブ:アウェイデー (G5) 6’12 ¥29,400 【A−552】
「キャンディード」や「ウエストサイド・ストーリー」など、バーンスタインのミュージカルからインスピレーションを得て作曲されたジャジーな作品で、ソナタのスタイルで書かれている。8分音符2つからなる鋭利な音形が拍子に変化を加えながら何度も打ち放たれるプレストの導入部に続き、トロンボーンが提示するリズムにのってスピード感豊かにジャジーな展開がお祭り騒ぎのように繰り広げられ、中間では木管楽器のいくつかのグループがやや穏やかな展開をみせる。その後、導入の音形がブリッジ的に帰ってきて音楽は再び発展を始める。再現部の後、再び主部や導入部の動きのサポートを得て勢いを増し、陽気さを爆発させるかのように曲を閉じる。コンクールなどで演奏すれば一躍注目を集めるだろう。
●カーナウ:プロクラメーション (G4) 5’32 ¥13,020 【A−556】
「宣言、布告」というタイトルを持つこの作品は、輝かしいファンファーレで始まり、そのファンファーレ自体が曲を通じたテーマとなっている。この威厳あるファンファーレは何度となく繰り返され、力強いメッセージを聴き手と奏者に想起させる。金管楽器には体力が要求されるが、ファンファーレ的な動きが中心となっているので、演奏はそれほど困難でないと思われる。どちらかと言えば演奏会向きかもしれないが、コンクールの自由曲としても十分に効果的な作品。これを機に、金管セクションに力をつけたいと思っているバンドにも適しているかもしれない。
●ホゼイ:ペルシス (G4) 8’07 ¥16,800 【A−558】
大変興味深いホゼイの最新作がついに出版された。彼自身の妻に尊敬と感謝を持って捧げられた作品。”ペルシス”は「ペルシャ」を意味するギリシャ語で、ある男性が古代ペルシャの首都、ペルセポリスにタイム・トラベルした・・というファンタジーの物語。古代文明の壮麗な建造物、大理石の像などの素晴らしい芸術品に囲まれ、ワイルドな冒険を始める。というストーリーが音楽で描かれている。曲の出だしから大変印象的なフレーズが姿を現し、聴衆はあっという間にこの曲の独自の世界に引き込まれる。次々と変わっていくメロディーの一つ一つが独創性に溢れており、ストーリー性の強い作品ならではの”説得力”を感じることが出来る。独特な音階や、巧みに用いられた装飾音がいた大変印象的で、もちろんバンドが良く鳴ってくれるのは言うまでもない。一部、トランペットの高音や木管楽器の細かな動きなど、難しい部分もあるが、苦労しがいのある作品に仕上がっている。中学生から大人まで楽しめ、コンクール・演奏会に効果的な作品としておすすめしたい。
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