●M・ボール:3つのプロセッショナル (G2.5) ¥12,600 【A−560】
1.行進曲風に(2’04)
2.行列(1’47)
3.祭り(1’27)
「3つのプロセッショナル」(行列聖歌)のタイトルが示すように、行列ないしは行進のイメージに結びついた3つの個性的な小品から構成されている。全体に古風で世俗的な雰囲気が強く、その点が普通の吹奏楽曲とは一味違って面白い。イギリスの作品には珍しく教育的な配慮が行き届いていることも特徴で、金管の音域は低めに抑えられ(トランペットの最高音は記譜音のG)、クラリネットの2番と3番はレジスター・キイを使わないで演奏できるようになっている。また、楽器の重なりが厚く、重ね方がシンプルなので、かなり人数を減らしても演奏可能。打楽器も4人で演奏できる。第1曲のフレージングと第3曲のリズムに慣れてしまえば、難しいところはほとんどない。
●シェルドン:船乗りの歌 (G3) 5’43 ¥12,285 【A−563】
「ロングフォードの伝説」で一躍話題となったシェルドンの作品。曲は、急−緩−急の構成でできており、シェルドン特有の作風が全曲に渡ってよく出ている。グレードは3(トランペットの最高音は実音G)であるが、このグレードの作品としては、比較的トランペット・セクションが単独で動くことが多いと思われる。全体的に良く鳴るように書かれており、初・中級バンドのコンクール自由曲や、コンサート・ピースとしておすすめの一曲だ。
●デル=ボルゴ:古代の歌と踊り (G2.5) 5’43 ¥11,340 【A−559】
1938年生まれのベテラン作曲家、デル=ボルゴはその個性的に作風で多くのファンを持っている。彼のもっとも得意とする原始宗教的な音の世界を描いたこの新作もまた、低グレードの作品ながら手馴れた書法でまとめられており、新鮮な印象が残る。「踊り」の部分の4拍子と3拍子が頻繁に交代するリズムが特徴的だが、こうした強調要素だけでなく、陰で音楽を支える和音の吹きのばしなどにも注意を向けることが大切。「動かない音」のクォリティは、曲全体のサウンドばかりでなく、リズムの躍動感ね大きく左右する。編成は、ホルンとトロンボーンが2パートである以外は標準的で、工夫によっては小編成でも十分な効果が期待できるだろう。打楽器はティンパニや鍵盤楽器を含めて最低6人が必要。特殊な楽器を使わず、大変効果的に書かれている。
●S・オラクリン:インシグニア (G2.5) 6’00 ¥11,340 【A−555】
夭折したメンバーの思い出を心に刻むために、作品が委嘱されたとの経緯がある。タイトルの「インシグニア」は記章、勲章のことだが、ここでは亡き友への友情の「しるし」といった意味であろう。かといって、感傷的な雰囲気の音楽ではなく、エネルギッシュな楽想とエレガントなメロディーがほどよくミックスされた、コンサートあるいはコンクールにも適した曲だ。作品成立のエピソードから離れても、聴衆には十分にアピールする音楽だろう。全体をとおして技術的にはやさしく書かれているが、このグレードの作品としてはややオーケストレーションが薄い部分もある。ソリも含め、音色感を大切に演奏すれば、きっと聴衆に爽やかな印象を残す事は間違いない。
●C・ストロンメン:祈りと踊り (G2.5) 4’40 ¥12,600 【A−557】
北米の平原に住むインディアンたちの「自然をたたえる祈り」を題材とした作品で、ストロンメン自身のコラール「スピリット・エターナル」をベースとする「祈り」と、シンコペーション・リズムが素朴なステップを連想させる「踊り」の2つの部分からなる。音楽的には平昜な内容だが、和声的な音の合わせ方やレガート奏法、リズムのとらえかたによって、音楽の表情がさまざまに変化するだろう。また合奏においては、各楽器がセクションで演奏することが多いので、分奏練習が行いやすい。「踊り」の部分の4拍子と3拍子の交代がやや難しいが、拍子感の違いを身体で覚え、リズムが停滞しないよう心がけたい。初級バンドを想定したいくつかの課題が盛り込まれ、やさしい技術で演奏を楽しみながら合奏能力が高まるように配慮されている。
|